3月3日の「ひな祭り」は「桃の節句」とも呼ばれており、日本の伝統文化の一つとして古くから親しまれています。3月3日はひな祭りにちなんだ食べ物を食べたいと考えるご家庭も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなひな祭りの食べ物について、意味や由来を紹介します。

ひな祭りとは

ひな祭りは、中国の「上巳の節句」が由来とされており、人形に穢れを移して無病息災を願う「流しびな」の風習が原型だと言われています。

日本にひな祭りの伝統が伝わってきたのは平安時代ですが、当時のひな祭りは中国で行われていた無病息災を願う儀式のようなものではなく、上流階級の遊びごととして紙人形を川に流すというものだったそうです。

その後、時代が移り変わるにつれて、人形を川に流すのではなく、飾る風習へと変化しました。
現在のひな祭りは、女の子を災いから守り、健康と幸福を願う祝いごととして親しまれています。

ひな祭りには何をする？

ひな祭りには、自宅にひな人形を飾り、女の子の健康と幸福を願いながら家族でお祝いをするのが一般的です。
また、神社やお寺でご祈祷を受けて厄払いや、地域によっては他にもさまざまな習わしがあります。

女の子の赤ちゃんが生まれて初めて迎える3月3日のことを「初節句」といい、家族や親族と一緒にお祝い膳をしたり、レストランなどでパーティーを開いて盛大にお祝いする家庭も多いです。

ひな祭りには何を食べる？

ひな祭りには、伝統的なお料理を食べる風習があります。
ここでは、ひな祭りの伝統的な食べ物・飲み物を6つ挙げ、意味や由来について紹介します。

ちらし寿司

ちらし寿司は、ひな祭りはもちろん、他のお祝いの席でもよく食べられるお料理です。

見た目も華やかなちらし寿司の具材にはそれぞれ意味があり、ひな祭りのお祝いの定番の食べ物として選ばれています。

例えば、ちらし寿司の具材であるエビには「腰が曲がるまで長寿でいられますように」、錦糸卵には「お金が貯まりますように」、れんこんには「先を見通し、災難に見舞われないように」などの意味が込められています。

縁起の良い食材を使ったちらし寿司は、お祝いにぴったりの食べ物です。

ハマグリのお吸い物

ひな祭りには、縁起の良い食べ物として、ハマグリのお吸い物もよく食べられています。

貝合わせにも使われるハマグリには、対の貝殻だけがぴったり合うため、仲の良い夫婦を表しており、夫婦円満の象徴として親しまれています。

ひなまつりでは、「良縁に恵まれ、一人の相手と生涯を添い遂げて欲しい」という願いを込めて、ハマグリのお吸い物を食べる習わしがあります。

ひし餅

春らしい彩りのひし餅は、女の子の身代わりに災厄を引き受けてくれる、ひな人形へのお供え物として知られる食べ物です。

ひし餅がひし形なのは、魔除けや子孫繁栄の力があるとされる菱の実がモチーフとされています。

また、ひし餅の桃色は「魔除け」、白色は「清浄」、緑色は「健康」というように、それぞれ異なる意味が込められています。

ひなあられ

ひなあられも、ひな祭りの定番の食べ物の一つです。
ひし餅を気軽にどこでも食べられるようにしたのが、ひなあられの由来とされています。

四季をあらわす緑、桃色、黄色、白の4色があり、1年を通して女の子の健康を願う意味が込められています。
ひなあられは地域によって形や味が違い、最近ではさまざまなタイプのものが販売されています。

白酒（子どもは甘酒）

ひな祭りの日である桃の節句は、もともとは桃の花びらを漬けた桃花酒が飲まれていました。
しかし、江戸時代には厄除けの意味を持つ「白酒」が定着し、現代でも飲まれています。

ただし、白酒はアルコールが入っているため、子どもはノンアルコールの甘酒を飲むのが一般的です。

さくら餅

さくら餅はひな祭りでよく食べられるお菓子の一つです。
しかし、これまで紹介した食べ物・飲み物とは異なり、さくら餅にはひな祭りに食べる特別な意味はないと言われています。

春らしい雰囲気と色合いでひな祭りのお祝いに似合うことや、ひし餅より食べやすいといった理由などから、ひな祭りで食べられるようになったようです。

最後に

3月3日のひな祭りは、女の子の健康と幸福を願って、行事食や春らしい食べ物を並べて、パーティーを開いてみてはいかがでしょうか。

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